── 静かな時間のすみっこで、私を支えてくれた小さな道具たち
◆ はじめに
趣味というのは、
“好きだからやる” というよりも、
“好きだったことを思い出させてくれる”
行為なのかもしれない。
忙しさで呼吸が浅くなった日も、
ストレスで心がぎゅっと固くなった日も、
ふと手に取るだけで
“あ、私はここにいていいんだ”
と思わせてくれる。
そんな存在が、
私にとってのホビーだった。
2025年、いろんなものを試してみて、
その中から
“買ってよかった” “持っていてよかった”
と思えたアイテムたちを、
今日は静かに、丁寧に紹介したい。
これは、モノの話であり、
同時に、私の生活の話でもある。
◆ 第1位:小さなハンディ万年筆
── 文字を書く時間が、心の温度を戻してくれた
手帳やメモに使うために買った、
手のひらサイズの万年筆。
大げさな道具ではない。
高級品でもない。
でも、重心が絶妙で、
紙の上を走らせると
“書いている私”が気持ちよくなる。
仕事で疲れた日の夜、
何を書くでもなく
ただ“今日食べたもの”をメモするだけで、
心の奥のざわざわが落ち着いていく。
万年筆のインクのかすかな香り。
書き出しのときの、
紙を押し返す柔らかい感触。
それら全部が、
“自分に戻る”合図みたいだった。
◆ 第2位:小型コーヒーミル
── ひとつの豆が、私の朝をやさしくしてくれる
電動の大きなミルではなく、
手動の小さなミル。
取っ手をくるくる回すたびに、
音がコトコト響く。
豆が割れていく香りがふわっと広がって、
その時間だけは
世界が少しスローになる。
挽きたてのコーヒーはもちろん美味しい。
でもそれ以上に、
“豆を挽く行為そのもの”が
私を目覚めさせてくれる。
忙しい日ほど、
このミルが恋しくなる。
朝を丁寧に始められる日は、
その日を好きになりやすい。
そんな気づきをくれた大切な道具。
◆ 第3位:パズルブック
── 小さな集中が、心を整える
スマホの通知音が多い日、
どうしても気持ちが散る。
そんなときは、
パズルブックを開く。
数字を埋めたり、
パターンを探したり、
言葉を組み合わせたり。
難しすぎず、簡単すぎず、
ちょうどいい問題を解いていると、
いつの間にか頭の中が静かになっていく。
「考える」より
「整う」感覚に近い。
解けたときの小さな達成感は、
意外と心を支えてくれる。

◆ 第4位:アロマワックスサシェ
── ただそこにあるだけで、部屋が深呼吸する
火を使わないアロマワックスサシェ。
クローゼットに吊るしているだけで、
ふんわり優しい香りがする。
部屋に入った瞬間、
「あ、落ち着く」
と感じるのは、
香りそのものよりも、
“好きな香りを選んだ私”を
思い出せるから。
物理的に何かが便利になるわけではないけれど、
こういう“気持ちの底が整うアイテム”は、
生活に静かな効果をもたらす。
◆ 第5位:トラベル用ミニ三脚
── 休日の散歩が、ちょっとした冒険に変わった
写真が好きで、
よく散歩の途中に撮る。
このミニ三脚をカバンに入れておくと、
撮れる角度が増えて、
風景を見る目も変わる。
自分の影が長く伸びている夕方、
誰もいない早朝の空、
雨上がりの光の粒。
いつもの道なのに、
“撮れるから見える世界”がある。
人に見せる写真じゃなくていい。
自分だけの一枚が増えると、
生活は少し豊かになる。
◆ 第6位:小さなニッティングセット
── 手を動かすと、考えすぎが消える
編み物にハマった年だった。
毛糸と針がカチカチと音をたてる。
ただそれだけの時間が心地よかった。
テレビを観ながらでも、
音楽を聴きながらでも、
編み目が増えていく。
進んでいく“手の証拠”が見えるのが嬉しい。
たとえ失敗しても、
解けばまたやり直せる。
“ほどける時間”が
なぜか優しいのも、編み物の好きなところ。
◆ 第7位:スクラップブック
── ちいさな“好き”を貼っていく遊び
可愛い包装紙、
お気に入りのショップカード、
旅先の紙ナプキン。
どれも捨てられない。
スクラップブックに貼り付けると、
ただの紙切れが
“思い出の証拠”になる。
ページをめくると、
そのときの空気まで思い出す。
「好きだったなぁ、この瞬間」
と、静かに振り返る時間は、
自分を優しくする。
◆ 第8位:観葉植物のミニポット
── “今日も生きてるんだね”と声をかけたくなる
小さなポトスを迎えた。
毎朝、霧吹きをして、
葉っぱが光るのを見る。
たったそれだけの習慣で、
部屋が“呼吸している”ように感じた。
育てているというより、
一緒に居る感覚に近い。
植物があると、
生活に“待つ時間”が増える。
焦る気持ちがゆっくり溶けていく、
そんな相棒。
◆ 第9位:ちょっといいヘッドホン
── 音の世界に閉じこもる時間が、私を助けてくれた
騒がしい日も、
疲れている日も、
ヘッドホンをつけると
世界が一段静かになる。
お気に入りの曲が
耳の近くでやさしく鳴る。
ただそれだけで、
“今日がんばったな”
と思える。
音に包まれる時間は、
ひとりでいながら孤独じゃない時間。
そんな救われ方もある。
◆ 第10位:ミニLEDランタン
── 小さな灯りがくれる、夜の安心
夜の部屋を真っ暗にしたくない日がある。
ミニランタンをつけると、
やわらかい光が
部屋の隅まで漂う。
本を読むほど明るくはないのに、
落ち着くには十分。
この灯りがあるだけで、
夜の長さに怯えなくて済む。
灯りの小ささが、
心地よさの大きさに比例するなんて、
思ってもみなかった。
◆ おわりに
趣味の道具は、
派手に生活を変えるものじゃない。
でも、
“今日を生きやすくしてくれる小さな力”
をくれる。
孤独な夜に寄り添ってくれたり、
忙しい朝に気持ちを整えてくれたり、
ふとした瞬間に
“私、まだ大丈夫だな”と思わせてくれたり。
そんな静かで優しい力が、
確かにこの一年を支えていた。
ホビーは、
生活の余白を埋めるものではなく、
その余白を“照らしてくれるもの”。
あなたにも、
そんな小さな相棒が
ひとつでも見つかりますように。
